平成22年1月26日

民主党の恐怖政治


 今日は。国会対策委員長の漆原です。政権与党である民主党の鳩山総理及び小沢幹事長の秘書(民主党石川知裕衆議院議員も含む)が、政治資金規正法違反容疑で次々と逮捕、勾留、強制捜査、起訴されるという異常事態になっています。23日には、小沢幹事長に対する東京地方検察庁の事情聴取も行われました。小沢氏は、収支報告書の不記載や、不正な金銭の収受など全否定をして潔白を主張されたようですが、問題はこれからです。

  法律家の常識からすれば、検察の第1回目の事情聴取は小沢氏の主張の概要を把握する事に主眼があったと思われます。強制捜査で押収した証拠、逮捕された3人の秘書の供述と、じっくり対照して小沢供述の矛盾の有無を検討する作業に移ることになります。本格的な捜査はむしろこれからです。その意味では、第1回目の検察の事情聴取は捜査の終わりではなく、本格捜査の始まりなのです。

○ これらの疑惑に対して鳩山総理も小沢幹事長も、「自分は秘書を信頼していた」、「秘書が勝手にやったことで自分は知らない」、「総理、幹事長の職務を全うすることこそ自分の責務だ」と弁明しています。何のことはありません。古い自民党の汚れた議員と同じく、相変わらず「トカゲの尻尾切り」と「責任のすり替え」ではありませんか。
 新しい政治を目指して政権交代を実現させた国民の「民主党よ!お前もか」という嘆きの声が聞こえないのでしょうか。
 「トカゲの尻尾切り」は許さない。秘書の監督に過失があった議員は、自ら「罰」を受けるべきです。だからこそ公明党は政治資金規正法の改正法案を国会に提出しているのです。今通常国会で是非とも成立させ、「清潔政治」の実現をして参ります。

○ 民主党は、野党時代はクリーン政治を標榜し、疑惑追及に最も厳しい政党でした。ところが、今の民主党は一体どうしたのでしょうか。これだけの疑惑があるにもかかわらず、誰一人として、鳩山総理や小沢幹事長の疑惑解明を求める声が聞かれないのです。むしろ民主党という巨大与党が一丸となって、検察やマスコミに圧力をかけ、疑惑解明を封じ込めようとしています。政治権力を持った巨大与党が陰に陽に自分達に不都合な勢力を押し潰す姿は、誠に異様であり、危険であり、民主主義の対極にある姿と言わなければなりません。

  以下、その具体例を紹介しようと思います。
@ 鳩山総理の「検察とどうぞ闘って下さい」「石川議員の不起訴を望みます」との発言について。
 行政権の長である内閣総理大臣が、このように発言することは、検察行政に対する著しい介入となり、あってはならないことです。

A 原口総務大臣の「関係者という報道は…何の関係者なのか分からないわけです…少なくともそこは、明確にしなければ、電波という公共のものを使ってですね、やるにしては、私は不適切だというふうに考えています」との発言について。
 報道機関の取材源の秘匿は、国民の知る権利、報道の自由、表現の自由に直結する重要な権利です。報道機関が取材源を明かせない場合に「関係者によれば」との表現を使うことがよくあります。しかし、「関係者という表現は不適当だ」、「取材源を明記しなければ、公共の電波を使ってはならない」というのであれば、報道機関の取材及び報道は、非常に困難になります。これでは、国民の知る権利が著しく阻害されてしまいます。権力者に不利な報道は、なんとかこれを制限したい、というのは権力を握った者が最も陥りやすい病弊です。

B 「捜査情報の漏洩問題対策チーム」の設置について。
 民主党は、鳩山総理や小沢幹事長の疑惑報道と検察によるリークと決めつけ、同党の法律家出身の議員を中心にして検察に圧力をかけようとしています。


○ 以上のとおり、民主党は鳩山総理や小沢幹事長の疑惑について、党内では一切の批判を封じ、むしろ疑惑の解明にあたっている検察や報道機関に批判の矛先を向けています。
 政権側による捜査機関に対する政治的圧力や報道規制を強めようとしています。
 政権側に対する批判を政治的圧力で封じ込めようとする、このような民主党の手法は、誠に危ういものと指摘せざるを得ません。


                          公明党国会対策委員長
              衆議院議員