令和2年8月18日
【安倍総理は、今こそ国民に説明責任を果たせ
 
― 共同通信社の取材に答えて ―

 

 皆さん、今日は。猛暑が続きます。くれぐれもご自愛のほど、お願い申し上げます。

 新型コロナの感染防止策と経済の回復は、人類がいまだ経験したことのない二律背反の課題です。「二兎を追うものは一兎も得ず」という諺がありますが、政治には二兎を追うことが求められているのです。

 ここで一番大切なことは、一国のリーダーと国民が心を一つにして難局に当たるという信頼関係です。安倍総理には、国民に対する説明責任を十分に果たされ、国民の信頼を背景にした強いリーダーシップをお願いしたいと思います。

 過日、共同通信社の取材を受けました。8月15日に配信されましたがその内容を紹介します。

          記

 首相在任期間が連続、通算とも歴代最長に達する安倍晋三首相を第1次、第2次政権で公明党国対委員長として支えた漆原良夫氏に話を聞いた。
 
 − 第1次、第2次政権との違いは。
○第1次政権は「美しい国」に象徴されるようにふわふわして、地に足がついていなかった。2次政権は経済の復興、外交の復興、東日本大震災からの復興という三つの復興を掲げ、それぞれに立て直した。特に安倍総理になって給料が上がり、仕事が増えたという国民実感が長期政権を維持している大きな理由だ。

 −功罪の「罪」は。
○森友、加計学園や桜を見る会の問題で緩みや忖度を指摘された政権のダメージは大きい。共同通信社の世論調査でも「首相を信頼できない」との声は多く、由々しきこと。政権奪還時の原点に立ち返り、真摯に説明責任を果たして国民の信頼を取り戻す姿勢が大事だ。

 −緩みや忖度が起こる背景に何があるのか。
○首相官邸に官庁幹部人事を一元化したため、霞が関(の役人)が全て官邸の方を向くようになった。小選挙区制による「一強」下で自民党議員も(人事権を持っている)官邸ばかりを見て首相に反対できない。派閥に人材育成の力がなくなり、次の首相候補が育たなくなった。
 野党がバラバラで自民党に対抗できず、二大政党のような政権交代の緊張感がない。その結果、国会答弁では(野党の質問に対し)野党の後ろ側にいる国民に説明するという姿勢が忘れられ答弁が乱暴になる。これも「一強」の弊害だ。

 −国民の信頼を取り戻すには。
○新型コロナウイルスにより国民は不安になっている。今まさにリーダーが必要だ。それには国民の信頼を得ていないと駄目。首相自ら国民に説明し、納得してもらう努力が必要じゃないか。
 観光支援事業「GO TOトラベル」一つとってみても行き当たりばったり。大事なのは信頼感だ。

 −公明党の役割は。
○自民党は国家、大企業目線の政治。公明党は庶民や消費者、零細企業の目線。ベクトルの違う政党が政権を組み、政治のウイングを広げた。自公政権は、数、質両方で政治に安定をもたらした。
 公明党は、一律10万円給付のように国民を代弁し、官邸に言うべきことをいうスタンスで臨む。


2020年8月18日
公明党顧問  漆原 良夫