平成29年3月17日
【テロ防止へ国際連携必要
 
捜査権の乱用に歯止め/一般人は対象にならず
記者会見で漆原氏/組織犯罪処罰法改正案 中央幹事会で了承

 

公明党は16日、東京都新宿区の党本部で行われた中央幹事会で、テロ対策を強化するため、「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案を了承した。この後、漆原良夫中央幹事会会長が記者会見し、同法改正案を了承した理由などを説明。特に、「2020年の東京五輪・パラリンピックをテロの標的にしてはならない」と強調した。

漆原会長は、国内法を整備することで、187カ国が協力する国際組織犯罪防止条約(TOC条約)を締結し、捜査共助や犯人引き渡しなどの連携が可能になると指摘した。

また、「テロ等準備罪」の新設については、犯罪の構成要件が厳格化され、一般人が処罰の対象となって捜査権の乱用につながるとの懸念に対しても「(テロ組織や暴力団など)組織的犯罪集団という枠をはめて、NPO法人や企業は含まれないことが明確になった」と強調した。

対象犯罪の数も676から277に縮減したほか、犯罪の成立は内心の合意だけでなく、組織的犯罪集団が重大犯罪の「計画」をし、「準備行為」という客観的事実が必要とされることを説明し、「大きな歯止めがかかった」と述べた。

このほか、民進党が、テロ等準備罪を新設しなくてもTOC条約を締結できると主張している点に関し、民主党(当時)は3年3カ月政権を担当しながら同条約に加盟できなかった事実を挙げ、「なぜできなかったのかを国民に明確に説明しないと、言いっぱなしの政党だという批判は免れないのではないか」と語った。

その上で、野党が法案を批判するだけで、テロ対策の具体的な対案を出そうとしないことに対し、「単に反対だけで対案を示さないという態度は誠に無責任と言わざるを得ない」と批判した。


(平成29年3月17日付け公明新聞より転載)