政府と自民、公明の与党両党は8日昼、首相官邸で連絡会議を開き、11日に東日本大震災の発生から6年を迎えることを踏まえ、復興加速をさらに力強く進めていくことを確認した。
席上、公明党の山口那津男代表は、4日に宮城県の被災地を訪問し、復興への決意を新たにしたと報告。福島県の帰還困難区域では、いまだ2万人を超える被災者が避難生活を余儀なくされている実情に触れ、「政府・与党が力を合わせて被災者に寄り添い、普通の生活、仕事を取り戻せるよう復興を前に進めていく」と力説した。
井上義久幹事長も、いまだ3万人超の被災者が仮設住宅で生活しているとして、「一日も早く当たり前の生活ができるよう政府には引き続き協力をお願いしたい」と訴えた。
安倍晋三首相は復興に向け「必要なことは全てやり遂げる強い決意で、切れ目のない被災者支援や住宅、街の復興、生業の復興に全力を尽くす」と強調した。
北朝鮮が日本海に向け弾道ミサイル4発を発射した問題への対応について山口代表は、政府に対し米国や韓国のほか、中国やロシアなどとも緊密に連携し、「情報収集や分析、警戒監視を強化して国民の安全・安心のため、いかなる事態にも対応できるよう万全を期してもらいたい」と要請。安倍首相は米国、韓国との電話会談で緊密な連携を確認したと述べ、「高度な警戒監視体制を維持し、万全の態勢を敷く」と語った。
また、山口代表は長野県の山中で同県の防災ヘリが墜落し、乗員9人が死亡した事故に関して、「事故原因の究明を急ぎ、安全対策を徹底するよう政府と自治体が力を合わせてもらいたい」と要望。防災ヘリのパイロットが不足している現状も指摘し、「パイロットの養成が進むよう国家的な視点での取り組みを検討してほしい」と強調した。
待機児童解消に向けた取り組みでは、想定以上に保育需要が高まっていることから、2017年度予算案で手当てした保育の受け皿確保などを実施した上で、「さらに緊急的にできることがないか、与党として検討し提言したい」と述べた。