公明党の糸魚川市火災災害対策本部(本部長=漆原良夫中央幹事会会長)は10日、首相官邸で菅義偉官房長官に対し、昨年末に新潟県糸魚川市で発生した大規模火災に関する早期復旧・復興に向けた要望を行った。漆原本部長のほか、副本部長の志田邦男党県本部代表(県議)、安沢峰子県議、保坂悟糸魚川市議が出席した。
席上、漆原本部長らは、住宅の被害状況に応じて今後生じる被災者のニーズに対し、きめ細かな支援を行うよう要請。自動車の免許証更新や車検などのほか、焼失した通帳や印鑑への弾力的な対応と円滑な支援も求めた。被災した中小企業への支援については、政府系金融機関が適用した災害復旧貸付制度の貸付条件などの緩和や、収入が途絶えた自営業者に対する税金や保険料などの減免措置の実施を主張した。
特に保坂市議は地元の声を踏まえ、二重ローン対策の重要性を強調。今後のまちづくりに関して、多様な意見を集約する専門家の派遣を要望した。道路を隔てて被害がなかった事業者については、「火災の影響で自粛ムードが続き、死活問題になっている」と述べ、周辺も含む被災地域の正確な情報を発信するなどの風評被害対策が不可欠だと訴えた。
このほか、漆原本部長らは(1)私有地のがれき処理で被災者の自己負担が生じない財政支援の実施(2)被災者への適切かつ迅速な情報提供と健康管理、心のケア、生活環境の整備―などを要請。木造建築物の密集や大火に対する消防力不足が指摘されていることを踏まえ、詳細な検証に基づく教訓を全国各地で共有し、有効な対策を講じることも求めた。
菅官房長官は、自然災害の観点で迅速な対応に努めているとし、「(要望内容に)しっかり取り組んでいく」と語った。
|