平成28年4月3日
「軽減税率」実施へ準備
 
「軽減税率」実施へ準備/関連法が成立 消費税制度に組み込む/公明推進対策本部を設置へ

 

 2017年4月の消費税率10%への引き上げと同時に軽減税率を導入することを柱とした16年度税制改正関連法が3月29日、参院本会議で成立しました。これによって、軽減税率は消費税制度の中に組み込まれ、税率10%への引き上げと同時に間違いなく導入されることが決まりました。
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 軽減税率の導入で、酒類・外食を除く飲食料品全般と定期購読の新聞(週2回以上発行)の消費税率は8%に軽減されます【表参照】。対象を生鮮食品に絞る案も出されていましたが、生活者の目線を重視する公明党が「できるだけ幅広くすべきだ」と強く主張。その結果、加工食品を含む飲食料品全般にまで広げられました。
 「消費税率10%への引き上げ自体が行われないのではないか」との声もありますが、日本経済は緩やかに改善へと向かっており、消費税率を引き上げる条件は整っています。安倍晋三首相は「リーマンショックあるいは大震災のような事態が発生しない限り、来年、予定通り(消費税率を)引き上げていく」と表明しています。
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 今後は、軽減税率が円滑に導入できるように準備を進める段階へと移行します。安倍首相と公明党の山口那津男代表は3月30日の党首懇談の中でその必要性を確認しました。
 特に対応が困難とみられる中小・小規模事業者への支援が求められます。すでに税率が複数になることに対応したレジの導入や受発注システムの改修などにかかる費用の一部を補助する制度がスタートしています。また、中小企業庁は中小企業4団体と連携し、全国約2300カ所に相談窓口を設置しました。今後は、講習会や専門家の派遣も行われます。政府・与党は事業者など現場の声を聞きながら万全を期す方針です。
 公明党は政府の対応を促すため、山口代表が3月31日の中央幹事会で、党内に「軽減税率推進対策本部」を立ち上げる考えを表明、今週にも設置される予定です。山口代表は「(党の地方議員や推進対策本部で)事業者の意見を丁寧に受けて、政府、自治体ともにスムーズに実行できるように頑張っていきたい」と決意を述べています。
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 軽減税率は、消費税が抱える▽所得が低い人ほど税の負担が重くなる「逆進性」▽買い物のたびに負担を感じる「痛税感」――を緩和する方法として最も優れています。個人消費の落ち込みを防ぐ効果も期待され、経済対策の観点からも重要な制度です。
 民進党などはいまだに「軽減税率より給付つき税額控除の方が優れている」と主張しています。しかし、給付つき税額控除は(1)日々の買い物での痛税感を緩和できない(2)公平・公正な運用が難しい(3)国民に手間と負担を強いる(4)税務署や役所が制度に対応できない――などの問題点が挙げられ、実現は困難です。
 『子育て、介護の基盤拡大/16年度予算が成立』
 一般会計総額96兆7218億円の2016年度予算が3月29日の参院本会議で、自民、公明両党などの賛成多数で可決、成立しました。
 予算には公明党の主張が大きく反映され、(1)待機児童対策など子育てや教育への支援(2)認知症対策など医療・介護分野の施策充実(3)防災・減災や東日本大震災からの復興加速(4)地方創生――に重点を置いています。
 16年度予算の成立に関して公明党の山口那津男代表は、「少子高齢化に本格的に立ち向かっていくスタートになる」と強調しています。=2面に主なポイント




(平成28年4月3日付け公明新聞より転載)