公明党は16日、東京都新宿区の公明会館で全国県代表協議会を開き、来夏の参院選勝利に向け、圧倒的な党勢拡大への決意を新たに勇躍出発した。山口那津男代表は、これまでに埼玉、東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫、福岡の7選挙区で7人、比例区で6人を公認したことに触れ、「7選挙区への挑戦は過去最多であり、かつてない攻めの選挙戦となる。全議員が総立ちとなって、7選挙区完勝、比例区を含め過去最高の歴史的な大勝利を成し遂げよう」と力説。今後、全ての統一外地方選挙でも全員当選を勝ち取り、「連続勝利の勢いの中で参院選を迎えよう」と呼び掛けた。
冒頭、山口代表は、13日にフランス・パリで起きた同時多発テロの犠牲者に哀悼の意を表明。日本政府に対し、国際社会との連携強化とともに、国内の安全対策に万全を期すよう求めた。
また、東日本大震災の被災3県で行われた「東北復興選挙」で全員当選を勝ち取ったことに謝意を表し、さらなる復興加速へ、「公明党は、どこまでも被災者に寄り添いながら復興の先頭に立つ」と訴えた。
当面する政治課題としては、日中、日韓関係の改善を挙げ、東アジアの平和と安定のため、日中韓3国の首脳が対話を継続し、信頼を深めていく必要性を指摘。先月、公明党代表団が中韓両国を訪問したほか、来月から日中与党交流が再開され
ることを報告し、「公明党として引き続き『対話外交』に努力していく」と力説した。
消費税の軽減税率については、「買い物時に誰に対しても確実に軽減できる軽減税率は優れており効果的だ」と指摘。対象品目に関しては、痛税感や逆進性の緩和、経済の失速を防ぐ観点から、「できるだけ幅広い品目を対象として、国民の理
解が得られるよう全力で取り組む」と強調した。
政府・与党が進める「1億総活躍社会」については、政府が今月中に策定する緊急対策に向け、児童扶養手当の増額など、社会的に弱い立場にある人に手を差し伸べる観点から党の提言をまとめると述べた。
日米など12カ国が大筋合意した環太平洋連携協定(TPP)では、外国産品との激しい競争にさらされる農林漁業者が不安を抱いていることを踏まえ、現場の“生の声”を基にした党の提言を政府に申し入れる考えを示した。
さらに、今年7〜9月期の国内総生産(GDP)速報値が2期連続のマイナス成長となったことに言及し、「経済再生の軌道を確かなものとするためにも、経済対策を取りまとめ、今年度補正予算や来年度予算に反映できるよう強く求めたい」との考えを示した。
参院選勝利に向けた取り組みに関しては、「18歳選挙権」が実施の見込みであることから、「若者の政治参加が広がる意義は大きい。青年に光を当てた政策実現に取り組む公明党こそ、真の『若者の味方』であることを広く訴えたい」と語った。
結びに、昨年の「結党50年」から「次の50年」へ、「参院選の勝利なくして、党の揺るぎない基盤の確立はない。圧倒的な党勢拡大の大波を起こしていこう」と呼び掛けた。