平成27年10月23日
【安心・希望の社会保障に
 
子育て環境の整備 最重要/TPP 説明、対策に万全期せ/マイナンバー制度 問い合わせ電話無料化を/政府・与党連絡会議で山口代表

 

 政府と自民、公明の与党両党は21日昼、首相官邸で第3次安倍改造内閣発足後、初めての連絡会議を開いた。席上、公明党の山口那津男代表は、「新しい推進力を得て、政府・与党一体で目標達成に取り組んでいきたい」と強調。また、環太平洋連携協定(TPP)大筋合意に伴う対策や日中、日韓関係の改善、社会保障と税の共通番号(マイナンバー)制度の周知徹底などについて見解を述べた。
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 連絡会議の冒頭、安倍晋三首相は、「1億総活躍社会」について、(1)国内総生産(GDP)600兆円(2)希望出生率1・8(3)介護離職ゼロ――の目標達成に向け、近く設置される国民会議がロードマップ(工程表)を取りまとめる方針に触れ、「与党の議論を踏まえ、オールジャパンでアイデアを結集させたい」と述べた。
 これに対して山口代表は、「具体的な施策を生活者目線でかみ砕き、共有していくことが重要」と指摘した上で、「国民一人一人に光を当て、自己実現できる社会の構築に向け、社会保障の不安を安心と希望に変えていく。特に、安心して子どもを育てられる環境を社会全体で構築していくことは、最重要課題だ」と力説した。
 大筋合意したTPPについて山口代表は、中小企業の活躍の場が広がるなど日本へのメリットが大きい一方、国内産業への影響に不安を抱く農林漁業者も少なくないとし、「政府は交渉結果について国民に丁寧に説明してもらいたい」と要望。さらに「与党と政府が連携を密にしながら、万全の国内対策を検討していくべきだ」と強調した。
 2017年4月からの消費税率10%時に導入する軽減税率について安倍首相は、「10%への引き上げ時に導入が間に合うよう中小事業者の負担にも配慮しつつ、具体策を取りまとめる必要がある」と表明し、与党に協力を要請。公明党の井上義久幹事長は、首相の考え方を踏まえ与党として協議を進めていくと応じた。
 また、安倍首相は、来月1日に韓国・ソウルで開かれる予定の日中韓首脳会談に合わせ、「韓国の朴槿恵大統領、中国の李克強首相との日韓、日中首脳会談を行いたい」と表明。「地域の平和と繁栄のために、有意義な議論を行う機会を持ちたい。それぞれ隣国ゆえに難しい問題があるが、胸襟を開いて率直に話し合いたい」と述べた。
 これに対し山口代表は、韓国、中国を相次ぎ訪問したことに触れ、「首脳会談を実現させ、関係改善への流れを確かなものにすべきとの認識を共有できた。首脳会談を通じて懸案の解決を前進させるとともに、幅広い協力関係を強化し、持続的な発展に向けた取り組みが進展するよう尽力してほしい」と要望した。
 一方、マイナンバー制度に関して山口代表は、問い合わせ先のコールセンターへの通話が有料であることに対し、「無料化して人員を増やし、国民からの相談に丁寧に対応できる体制を整えてもらいたい」と求め、国民目線に立った広報体制の整備を訴えた。




(平成27年10月22日付け公明新聞より転載)