衆院法務委員会は10日、取り調べの録音・録画(可視化)の義務化などを盛り込んだ刑事訴訟法改正案に関する参考人質疑を行い、公明党の漆原良夫氏が質問に立った。
漆原氏は、「取り調べと供述調書に過度に依存した捜査・公判から脱却しなくてはならないとの指摘はかなり前からあり、議論されてきた」と述べた上で、同改正案に可視化に加え、証拠収集などへの協力及び訴追に関する合意制度(司法取引)の創設や通信傍受の対象拡大が盛り込まれていることに関する見解を聞いた。
日本弁護士連合会の内山新吾副会長は、「一部の事件とはいえ、取り調べの全課程の可視化が法的に義務付けられる意味は大きい」と主張。司法取引など新たな捜査手法に一定の歯止めをかけて運用を改善することで、「全体の刑事司法のあり方を一歩前進させると評価する」と語った。