漆原氏は、気象庁が御嶽山の噴火前に周辺自治体へ火山性の地震が増加していることを伝え、火口付近で火山灰などの噴出に注意するよう呼び掛けていた一方で、防災対応を5段階で示す噴火警戒レベルを平常時の「レベル1」としていた点に言及。「一般の人は『レベル1、平常』とあれば、『結果的には安心』と読むのが普通だ。この表現はいかがかものか」と述べ、火山情報を発信する際の工夫、改善を訴えた。
山谷えり子防災担当相は「確かに一般の人が理解できる(情報)発信が重要だ。火山活動がこれまでの状態と異なっていると伝えるのは、噴火につながると言い切れない場合でも重要だと考えている」として、具体的な情報伝達の内容や方法について、「有識者の意見を聞きながら、しっかりと検討したい」と答えた。
また漆原氏は、御嶽山の噴火で犠牲になった55人のうち、20人が頭部や首などに噴石が当たって死亡したことに言及し、シェルターなど一時避難施設の整備促進を提案。山谷防災担当相は、「全国的な整備状況を早急に調査したい。結果を踏まえて、景観にも配慮しながら、シェルターの整備促進に向けた検討を進めていく」と述べた。
さらに漆原氏は、噴火の降灰による農業被害の状況と対策について質問。農林水産省は、現段階の被害は一部にとどまっているとした上で、土壌が火山灰によって酸性化した場合に石灰で中和するよう指導するなど、「被害が新たに判明すれば、地元の自治体と連携して迅速的確な対応をしたい」と答えた。