自民、公明両党の与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(PT)は16日、首相官邸で菅義偉官房長官、国土交通省で太田昭宏国交相(公明党)にそれぞれ会い、整備新幹線の北海道、北陸、九州の3路線の新規着工区間について、工期短縮による開業時期の前倒しなどを申し入れた。
公明党から同PT座長代理の井上義久幹事長と漆原良夫国会対策委員長、江田康幸九州方面議長(衆院議員)が同行した。
与党PT側は、開業時期に関して、北海道新幹線の新函館北斗―札幌間を2035年度から30年度に、北陸新幹線の金沢―敦賀間を25年度から22年度に、それぞれ早めるよう要望。九州新幹線の武雄温泉―長崎間は、技術上の課題を精査しつつ、22年度の開業時期を可能な限り前倒しすることを求めた。工期短縮に必要な財源については、年末に予定される15年度の予算編成に向け、線路を保有する独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」が、開業後にJR各社から受け取る鉄道施設の貸付料を前倒しで活用することなどを検討するよう主張した。
申し入れの席上、井上幹事長らは、工期短縮に要する財源上の課題解決を求めた。これに対し、菅官房長官は「分かりました」と回答。太田国交相は「新幹線開業による経済的、社会的効果をアピールしなければならない」として、要望の趣旨に理解を示した。