政府と自民、公明の与党両党は2日昼、首相官邸で連絡会議を開いた。席上、公明党の山口那津男代表は、今月取りまとめられる新たな成長戦略や、経済財政運営の指針となる「骨太の方針」について、「与党側の提案も政府として受け止めてもらい、政府・与党で説得力のあるものを作っていきたい」と強調した。
山口代表は成長戦略に関して、公明党が先月30日に提出した、女性や若者が活躍できる社会の構築や、魅力ある地方都市づくりなどを柱とした提言を反映させるよう主張。安倍晋三首相は「日本が力強く成長していくという強い意志を国内外に発信できるよう、与党と緊密に連携をとって、難しい課題を乗り越えていきたい」として与党側に協力を要請した。
22日に会期末を迎える終盤国会について山口代表は、成長戦略や社会保障関連などの重要法案を着実に成立させる考えを表明。安倍首相は「会期中に成立するよう、緊張感を持って対応していく」と述べた。
また、北朝鮮が日本人拉致被害者らの再調査を行うなどとした日朝合意について、山口代表は「大きな前進だ。被害者と家族に残された時間はそう多くないので、合意が実効性を持って確実に実現し、特に拉致被害者は安否の確認と帰国が実現するよう、最大限の尽力をお願いしたい」と要請。
安倍首相は「政権にとって拉致問題の全面解決は最重要課題だ」と力説した。
4日からの先進7カ国(G7)首脳会合に関して、山口代表は首相に対し、世界経済の成長に果たす日本の方針をよく説明するよう求めるとともに、「ウクライナや南シナ海の問題は、力による現状変更は許さないという国際的な法規範を確立することが重要だ。その点でもG7各国との連携を深めることを期待したい」と述べた。
一方、公明党の井上義久幹事長は、安全保障法制整備に関する与党協議について「真剣に、精力的に協議を重ね、丁寧で国民に分かりやすい議論をしていきたい」と表明。また、1日に宮城県石巻市を訪れ、漁業関係者と懇談したことに触れ、「関係者は将来に対する強い不安を持っている。やる気を失わせず、将来に希望を持てるよう、政府を挙げて支援していく必要がある」と強調した。
このほか、自公両党は7月13日投票の滋賀県知事選で、両党が推薦する新人の、こやり隆史氏の勝利へ総力を挙げることを確認した。