平成24年8月29日
衆院選挙法案、民主が委員会採決強行
 
衆院選挙法案、民主が委員会採決強行/憲政史上、類を見ぬ暴挙/漆原国対委員長ら 全野党が議長に申し入れ

 
 衆院政治倫理・公職選挙法改正特別委員会(赤松広隆委員長=民主党)は27日、民主党提出の衆院選挙制度改革関連法案を全野党が欠席のまま民主党単独で採決、可決した。民主党は同法案を28日の衆院本会議で採決し参院に送付する方針だ。
 「採決強行」の異常事態を受け、野党各党の国会対策委員長らが会談し、同法案の本会議採決には加わらない方針で一致。その上で、横路孝弘衆院議長を訪ね、全11野党の連名で「民主党単独の強行採決を認めず、本会議の議題としないよう取り計らうべきである」との申し入れ書を手渡した。
 申し入れでは、民主党が同法案の審議入りや質疑、採決を単独で強行したことについて、「選挙制度は議会制民主主義の土台であり、与党だけで強行することは、断じて許されない。憲政史上これほどの暴挙はない」と糾弾。議長に対し「各党間の協議の場を設けるなど、丁寧な議論をやり直すことを求める」と訴えた。
 これに対し、横路議長は「赤松委員長から特別委の審議・決議に瑕疵はないと聞いた。あとは議院運営委に委ねたい」と消極的な姿勢に終始した。
 申し入れ書の提出後、公明党の
漆原良夫国対委員長は記者団に対し、「この法案を、与野党で合意形成しながら土俵づくりをやる熱意や意思が、(民主党の)国対や委員長、議長からまったく感じられない。誠に残念至極だ」と強調。本会議での採決が行われた場合、「民主党としても議長としても、憲政史上に大きな汚点を残すことになる」として、「今まで(法案審議で)野党が欠席した例はあるが、全11野党が結束して議長に申し入れることはなかった。この(意味の)大きさをしっかり考えなければならない」と指摘した。

(平成24年8月28日付け公明新聞より転載)