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平成24年5月2日 |
【前半国会の成果】 |
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前半国会の成果/漆原良夫国対委員長に聞く/ |
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<上>/合意主導し政治動かす/復興特措法が成立 郵政、歳費削減も実現/説得力ある現場発の政策
国会は、大型連休明けから消費増税法案を含む社会保障と税の一体改革関連法案の審議が始まる。前半国会での公明党の成果や今後の国会対応について、漆原良夫国会対策委員長に聞いた。
――まず民主党の国会対応について。 漆原国対委員長 場当たり的で稚拙な対応が目立ちました。14年ぶりに暫定予算を組む異常事態となったのも、1月の国会召集が遅かったからです。消費増税法案も、野田佳彦首相が今国会成立に「政治生命を懸ける」と言ったのに、衆院特別委員会の設置は今月26日。増税法案の提出から1カ月近くも後でした。国会運営の日程感がないから、対応が後手に回ってしまう。 ――それに対して公明党の対応は。 漆原 もはや解散・総選挙はいつあってもおかしくありませんから、国会での民主と自民の対立も激しくなり、政治がなかなか動かない。公明党は、不毛な政局論争よりも国民のために合意形成を優先させるべきだとの考えです。そこで両党に働き掛けて、重要法案を修正したり、議員立法を実現したりと数々の成果を挙げました【表参照】。 ――大震災や原発事故への支援策も前進しました。 漆原 原発事故で苦しむ福島の復興を支援する福島復興再生特別措置法は、公明党が法律の立案から条文作成までリードしたもので、福島の皆さんから大変に喜ばれています。 また、被災地では、法律の無料相談などが受けられる「法テラス」(日本司法支援センター)を利用する場合、地震保険や義援金などの支払いを受けた方は「資力がある」と見なされ、断られるケースがありました。そこで、被災地の方であれば誰でも無料法律相談を受けられるように法律を改正しました。 ――公明党らしい成果ですね。 漆原 法律相談というと小さなことに見えるかもしれません。しかし、困っている被災者の皆さんにとってはとても大きなことです。消極姿勢の政府や民主党を何度説得したことか。被災者に寄り添う公明党として、大きな仕事ができたと思っています。 ――改正郵政民営化法の成立も公明党が主導しました。 漆原 郵政見直し問題は民主党政権によって株式売却が凍結され、2年もの間、身動きが取れずにきました。そこで、公明が民主、自民との協議で汗をかき、民営化の理念は変えない改革案をまとめました。これが決定打となり、改正法が成立しました。 ――5月から国会議員歳費が1人当たり2年間で540万円削減されます。 漆原 昨年の300万円削減もそうですが、公明党が「震災復興のために国会議員がまず身を切るべき」と各党に迫らなければ、間違いなく歳費削減はできませんでした。今回、公明案(2年間で840万円削減)を各党に提案した際、場が凍り付き、シーンとしたといいます。「また公明が言い出した」という冷ややかな空気を吹き飛ばし、5月実施にこぎつけたことは、ぜひとも知っていただきたいと思います。 ――公明党は政策合意の要役と言えます。 漆原 その原動力は、地方議員と国会議員とが緊密に連携するネットワーク力です。現場の声を踏まえた公明党の主張には説得力がある。民主党も自民党も反対しきれない。こうして勝ち取った前半国会の成果を、大型連休中にしっかりと訴え切っていきます。
<下>/増税法案で徹底追及へ/社会保障の全体像なく 低所得者対策も先送り
――参院での問責決議可決からすでに10日が過ぎました。 漆原良夫国対委員長 田中直紀防衛相と前田武志国土交通相は自ら辞めるべきです。防衛相としての基本的知識がない人に日本の防衛は任せられませんし、国交相は特定候補の選挙支援要請の文書に署名しておいて、中身は知らなかったという。大臣としてあるまじき話です。辞任しなければ、任命した野田佳彦首相が指導力を発揮して更迭すべきです。 ――自民党の一部には、問責閣僚が辞任するまで全面的な審議拒否をして、国会をストップさせるべきとの意見もあります。公明党の対応は。 漆原 重要課題が山積する中、国会を全面ストップさせることは国会としての責任放棄につながります。そこで、公明党は問責2閣僚が関係する委員会の審議には応じない。それ以外の審議はしっかり進め国会を動かす。これが基本方針です。 ――大型連休明けから消費増税法案などが審議入りします。 漆原 本来、社会保障と税を一体で審議すべきなのに、政府は社会保障の全体像を明らかにしていません。月7万円の最低保障年金は来年以降に先送り。廃止すると言っている後期高齢者医療制度をどうするのかも全く分からない。こうした問題を残したまま、消費税だけ上げようとしている。これでは到底、賛成などできません。 しかも、消費税には逆進性があることが分かっているのに、増税法案だけ出して、低所得者対策を先送りしています。なぜセットで出してこないのか。論戦を通して、こうした数々の問題点を厳しく追及していきます。 ――会期末まで1カ月半ほどです。審議日程は厳しいですね。 漆原 首相は増税法案の今国会成立に「政治生命を懸ける」と明言しました。できない場合にどうするのか。当然、解散・総選挙で国民に信を問うことが憲政の常道でしょう。 ――後半国会では増税法案以外にも課題が山積しています。 漆原 原子力の安全規制を担う組織の新設が急務です。政府案の原子力規制庁に対して、自公案はより独立性の高い原子力規制委員会の設置を求めています。また、「秘書がやったことで自分は関係ない」と、秘書をトカゲのしっぽ切りに使う政治家が後を絶ちません。公明党が提案している政治資金規正法改正案を今国会中に成立させて、政治家の秘書に対する監督責任の強化を何としても実現させたい。 そのほか、国民生活に直結するさまざまな法案の審議が控えています。草の根対話などでしっかりと現場の声を聞きながら、後半国会でも合意形成をリードし、政治を前に動かしていく決意です。
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(平成24年4月30日、5月1日付け公明新聞より転載)
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