平成24年3月21日
迫る土砂 対策急ピッチ

迫る土砂 対策急ピッチ/止まらぬ地滑り 漆原氏らが現地調査/新潟・上越市

 
 新潟県上越市板倉区国川の山の斜面で地滑りが起き、避難勧告が続いている問題で、公明党の漆原良夫北陸・信越方面議長(国会対策委員長)、志田邦男同県本部代表(県議)、上松和子、杉田勝典両上越市議、樗澤諭妙高市議が18日、現地を視察した。
 一行は初めに市災害対策本部の板倉区現地本部を訪れ、上越市の野口和広副市長、県・国の担当者から、被害状況や応急対策工事について説明を聞いた。
 県によると、これまでに民家5戸、作業所など6棟が損壊。住民21世帯80人に避難勧告、5世帯20人に避難準備情報が出ており、14世帯50人が親戚・知人宅などに避難している。地滑りの規模は幅150メートル、長さ500メートル、移動土砂量75万立方メートルに及んでいる。
 地滑りの先端部分の移動は1時間当たり2〜3センチと小さくなっているものの、進行は止まってはいない。応急対策工事としてブロック設置や水抜きボーリング工事を進め、現在、毎分126リットルを排水している。
 さらに、県は地滑りの進行方向にある他の集落への被害を食い止めようと盛り土による“堤防”の建設も急ピッチで進めている。
 今、懸念されているのが上江用水のダメージ。水田2300ヘクタールで利用されている用水で、県は4月末までの通水をめざし、仮設の水路を検討している。同副市長は「絶大な支援を」と要望した。
 この後、一行は地滑りによって住宅が破壊された現場などを見て回った。
 視察を終えた漆原氏は「政府に働き掛けて、しっかりサポートしたい」と話した。漆原氏と地元市議らは今週にも政府に対し、恒久的な地滑り防止対策や被災者の生活支援を申し入れる予定。

(平成24年3月19日付け公明新聞より転載)