平成24年1月24日
年金の全体像明確に
 
年金の全体像明確に/与党は協議環境整えよ/格差是正、定数削減 民意反映の制度改革で/NHK番組で漆原国対委員長

 
 公明党の漆原良夫国会対策委員長は22日午前、NHK番組「日曜討論」に与野党の国会対策責任者とともに出演し、野田改造内閣で就任した田中直紀防衛相が、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題で「年内着工」と発言して沖縄の反発を受けた問題などに関して「首相の任命責任の問題になるのではないか」との認識を示した。
 漆原国対委員長は、19日の与野党幹事長会談で民主党の輿石東幹事長が社会保障と税の一体改革に向けた政党間協議を呼び掛けたことについて、「(政府・与党が決めた一体改革)素案と、(民主党が主張する)年金一元化や最低保障年金との整合性がどうなっているか。社会保障の全体像を明らかにすれば議論に入れる。議論の前提として必要だ」と指摘。幹事長会談で輿石氏が社会保障の全体像を示す意向を表明したことを踏まえ、「議論の環境を整備するのは与党の責任だ」と述べた。
 また、民主党の城島光力国対委員長が与野党協議のモデルとして2005年に設置された社会保障制度改革両院合同会議を挙げたことに対して
漆原国対委員長は、「(輿石氏は)『国会の場で議論する』と言われ、2005年の話はしていない。幹事長の話を前提にしてもらわないと、おかしくなる」と追及した。
 一方、漆原国対委員長は、衆院選挙制度改革に絡み、現行の小選挙区比例代表並立制では得票率と議席率が大きく乖離する問題に言及。比例定数を80削減する民主党案は「その乖離をもっと大きくして、ゆがめるものだ。断固反対している」と強調。「1票の格差」是正と定数削減の実現は「民意を反映するにはどの制度が一番いいのかということから、一体的に議論して解決するべき問題だ」と訴えた。
 政府提出の国家公務員給与削減法案については、給与を平均0・23%引き下げる人事院勧告(人勧)を見送った上で、平均7・8%削減する内容であることなどを踏まえ、「人勧を実施する前提で、7・8%削減する法律を(自公で)出している。(自公案の方が)うまくいく」と力説した。
 24日召集の通常国会冒頭の対応では、「今年度第4次補正(予算の審議)に入る前に、外交問題等に関する集中(審議)をやってもらいたい」と要求した。

(平成24年1月23日付け公明新聞より転載)