平成22年11月1日
生産現場の切実な声聞く
JA新潟中央会での懇談会(写真左)、JA魚沼みなみの倉庫を視察(写真右)

米価下落に先行き不安/等米比率は71ポイント減 生産現場の切実な声聞く/新潟で漆原、石田氏ら

 
 コメの価格下落や品質低下が全国の生産現場を直撃する中、公明党の漆原良夫国会対策委員長、石田祝稔・農林水産部会長(衆院議員)は30日、党新潟県本部の志田邦男代表(県議)らとともに、新潟、南魚沼の両市内で農業関係者との懇談会を開き、国の対策への要望を受けた。
 今年の米価は、前年産米の持ち越し在庫や過剰作付で需給バランスが崩れ、著しく下落。これに記録的な猛暑の影響で1等米比率が全国平均64%(9月末現在)まで落ち込むなど、品質低下が追い打ちをかけている。「コシヒカリ」の産地・新潟県では、1等米比率が19・7%と、前年同期比71ポイント減で下落幅は全国最大。農家の収入減が見込まれ、先行き不安が広がっている。
 新潟市では、JA新潟中央会の萬歳章会長らと懇談。同会長は「稲作農業が崩壊しかねない状況」との危機感を示し、出口対策(需給調整対策)の早期実施や米価急落に対応できる戸別所得補償制度の改善などを求めた。漆原氏は「しっかり対処していく」と述べた。
 一方、南魚沼市内では、JA魚沼みなみの倉庫で出荷前のコメの状況を視察する一方、井口一郎市長や南魚沼、魚沼両市のJA関係者、認定農業者の意見を聴取。「南魚沼市で5億円近くの減収見込みだ」「米価下落、品質低下、収量減の三重苦で農家は立ち行かない」などの声が寄せられ、担い手対策やコメの消費拡大など、農業者が希望を持てる国のビジョンを求める要望も出された。石田部会長は「皆さんの声を受け止め、政策に反映させていく」と述べた。

(平成22年10月31日付け公明新聞より転載)