平成22年10月31日
補正審議入りで民主が強行
 
補正審議入りで民主が強行/合意形成無視の暴挙/衆院議運委 野党は抗議し退席/漆原国対委員長が批判

 
 衆院議院運営委員会理事会は29日、今年度補正予算案の審議日程について協議し、与党側が11月1日に野田佳彦財務相の財政演説、同2日に各党代表質問を衆院本会議で行うことを川端達夫委員長(民主)の職権で決めた。自民、公明、共産の野党各党は与党の一方的な運営に強く抗議して退席した。
 席上、野党側は、民主党の小沢一郎元代表の証人喚問要求に関し、与党側の誠意ある回答がないため、「補正予算案の審議に入る環境にない」と指摘。与党側は「国会での証人喚問は司法プロセスに悪影響を与える」と拒否し、強行で審議日程を決める暴挙に出た。
 これを受け、公明党の漆原良夫国会対策委員長は記者団に対し、「(与党側は)熟議の国会と言いながら、合意形成を放棄した暴挙だ。職権で決めた本会議は撤回して謝罪すべきだ」と厳しく批判し、与党が本会議開会を強行した場合には「審議に応じるわけにいかない」と述べ、欠席も辞さない考えを示した。
 さらに漆原国対委員長は同日夜、自民、みんなの党の国対委員長とともに、国会内で鬼塚誠衆院事務総長と会い、委員長職権の日程決定は容認できないとして、横路孝弘衆院議長に円満な国会運営のため、適切な指導力を発揮することを伝えるよう申し入れた。
 一方、公明党の井上義久幹事長は29日午前の記者会見で、証人喚問要求に回答しない民主党を批判し、「民主党として方針を決め、補正審議に入る環境をつくることが与党の責任だ」と強調した。

(平成22年10月30日付け公明新聞より転載)