平成21年11月24日
与党が「合意」無視の暴挙
 
金融法案、強行採決/漆原国対委員長が批判/与党が「合意」無視の暴挙/衆院通過へ

 
 19日夜の衆院本会議で、民主党など与党は同日午後に財務金融委員会で強行採決した中小企業金融円滑化法案(返済猶予法案)を緊急上程し、同法案は同日深夜にも与党の賛成多数で可決、衆院を通過する見通しとなった。自民、公明両党は与党が本会議採決を強行した場合、退席する。 午後9時すぎに始まった本会議では、同法案の採決に先立ち、自民党が同日提出した玄葉光一郎財金委員長(民主党)、松本剛明議院運営委員長(同)の解任決議案の討論、採決が行われ、賛成討論にはそれぞれ公明党から石井啓一氏、遠藤乙彦氏が立つ。 本会議前の党代議士会で、公明党の漆原良夫国会対策委員長は、「(与野党間で)円満に20日の採決をあらあら決めていたが、流れが急に変わり、19日採決、緊急上程と言ってきた」と態度をひょう変させた与党を批判。「慣例が踏みにじられ、野党の質問権が奪われる危険性が強い」と危機感を表明した。 衆院財金委は19日午前に、与野党間の日程の大筋合意を踏まえ、委員会定例日ではないが参考人質疑を開催。しかし、玄葉委員長は同日朝の理事会で職権で同日昼の採決日程を決めたため、自民、公明両党は「野党の善意を裏切る行為で、だまし討ちに等しい」(公明党の石井理事)と強く抗議し、委員会を欠席した。 続いて、自民、公明両党の幹事長、国対委員長は、衆院の横路孝弘議長に「悪しき先例になる」として、定例日外採決と与野党合意のない緊急上程を認めないことなどを申し入れた。しかし、与党は委員会採決を強行し、民主、共産の賛成多数で同法案を可決。その後も与野党間で断続的に協議が行われたが、与党は最後まで強硬姿勢を崩さなかった。

(平成21年11月20日付け公明新聞より転載)