平成21年7月9日
水俣病救済法案 成立へ
 
水俣病救済法案 成立へ/自公民が正式合意 対象者拡大、チッソ分社化

 
 自民、公明、民主3党の政調会長、国対委員長らは2日、国会内で、与党と民主がそれぞれ提出している水俣病未認定患者の救済法案の扱いで最終協議を行い、高齢化が進む患者の早期救済の観点から、法案を一本化し今国会で成立させることで正式合意した。公明党から山口那津男政調会長、漆原良夫国対委員長が出席した。
 “公害の原点”とされる水俣病問題は公式確認から53年を経て、1995年に次ぐ2度目の政治決着が実現することとなった。
 会合では、積み残しとなっていた救済対象者の範囲や、原因企業・チッソの分社化問題で与党側が修正案を提示。(1)手足の先がしびれる感覚障害に加え、全身性の感覚障害、口の周囲の触覚・痛覚障害、舌の二点識別覚障害、求心性視野狭窄などの症状も法律に明記し、救済対象とする(2)救済費用を確保するため、チッソを事業を引き継ぐ子会社とその株式を保有・売却して補償を行う親会社に分社化できるよう規定を整備するが、一時金の財源を負担するチッソが支払いに同意するまでは分社化を認めない――の2点で合意した。
 また、同法案成立後に各患者団体との協議を進め、法律に明記されない症状の患者の救済方針や一時金の額など丁寧に対応していくことでも一致した。
 協議後の記者会見で、公明党の山口政調会長は「(今国会成立へ3党が)協議を重ね合意に至ったことは真に喜ばしい」とし、「速やかに法案を成立させ、一日も早い救済に着手すべきだ」と述べた。

(平成21年7月3日付け公明新聞より転載)