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平成20年7月28日 |
【オーストラリア議会視察】 |
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四党国会対策委員長で「ねじれ国会」の国を議会視察 |
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自民、公明、民主、社民の四党による国会対策委員長を中心として、オーストラリアの議会を視察致しました。
何故オーストラリアなのか。オーストラリアは、日本と同じく上院、下院の二院制の国なのですが、長年上院において与党が過半数を得ていません。いわば“ねじれ国会”の大先輩なのです。
日本でも昨年4月の参議院議員選挙の結果、はじめて衆参の“ねじれ国会”となり、私達与党は、国会運営に大変に苦労を致しました。そこで“ねじれ国会”の大先輩であるオーストラリアでは、どのような国会運営がなされているのか研究しようということになったのです。
日程は、7月22日〜27日までなのですが、私は所用の為、25日に帰国を致しました。
23日、24日の2日間の滞在ではありましたが、次の日程のとおり、大変に中身の濃い2日間だったと思っています。
ファーガソン連邦上院議長との会談
・選挙制度 ・・・・・・ 下院 1人区(小選挙区制)
上院 州単位の比例代表制
・合意形成の方法・・・ 非公式の交渉として、少数政党と政策的妥協をし、多数派工作をする。又、公式な方法としては、両院解散や両院総会で意思を決定する場合もある。
・両院解散や両院総会など、我が国と異なる制度を紹介され、大いに参考となった。
シャナハン(ジャーナリスト)氏との会談
・労働党が11年ぶりに政権を奪取した原因について
・下院と上院のねじれ現象は、国民が上院と下院をうまく使い分けている(上院は政府の看視機能)
・上院では、民主党、みどりの党といった少数政党が権力のパワーオブバランスを取るようになった。
外務貿易省ルストレンジ次官との会談
・日豪間の貿易の重要性
・APE/FTAの必要性
・FTA交渉について、日本側からは、小麦・牛肉・乳製品・砂糖などの重要品目については、除外すべきだとの強い意志が述べられた。
農林水産省オコネル次官との会談
・2年続きの干ばつがあったが、小麦・牛肉・乳製品・砂糖などの生産能力は落ちていない。
オーストラリアは、干ばつなどがあっても十分な生産能力を持っている。
・FTAは、日本の食糧の安全保障という観点からも寄与できる。
これに対して日本側からは、
・FTA交渉においては、米・小麦・牛肉・乳製品・砂糖などの重要品目については、日本の食糧の安全保障の観点から例外扱いとすべきである。
・食糧の輸出については「長期間・安定的に提供する」という文言が必要。
・牛肉の輸出について、豪は米国より売り込みの熱意が不足している。
・米国と競合する牛肉の輸出については、日本人が最も敏感な“食の安全”に重点を置いて交渉すべきではないか。
などと活発な意見交換がなされ、予定時間を随分オーバーしました。
ハリス連邦下院事務総長及びエバンス連邦上院事務総長との会談
・上・下両院の権限・選挙制度
・合意形成の方法
・議員の歳費・年金、選挙費用、秘書費用など
気候変動省パーキンソン次官との会談
・北海道サミットの評価
・排出権取引
<余白>
日本とオーストラリアは飛行機で10時間弱。北半球と南半球で季節は全く逆。日本は30度の真夏、オーストラリアは0度の真冬。その温度差は30度です。
オーストラリアの首都キャンベラは、約100年前に人為的に造られた“政治都市”です。国会議事堂、各省庁、各国の大使館などの公共施設が並んでいますが、商店街など全く見当たりません(どこかにはあるのでしょうが、私達が車で移動した範囲内では全く見当たりませんでした)。
夜になると真っ暗。街路灯も必要最小限度で本当に真っ暗です。その代わり星空は素晴らしく、南十字星も良く見えました。
・「タバコの話」オーストラリアは、“禁煙の国、ホテルの部屋でも禁煙”と聞いていました。
“飛行機往復20時間禁煙、オーストラリア滞在2日間禁煙”・・・これならいっそこれを機会にタバコをやめようかと決意したものです。
しかし、オーストラリアに行ってびっくり。確かにホテルも含めて公共施設は禁煙なのですが、戸外ではなんと“自由”なのです。もちろん歩きタバコはいけませんが、灰皿のあるところならば自由に吸えるのです。そして、その灰皿は、いたる所に設置されているではありませんか。
私の禁煙の決意も、キャンベラでの戸外タバコの煙とともにはかなく消えてしまいました。ただ、タバコの値段がとても高いらしいのです(私が買ったわけではないのですが)。1箱1250円と言っていました。10年前は1箱750円だったと聞いていますが、もし本当だったらとんでもなく高いですね。
・25日は飛行機の窓から南国の海と島々が良く見えました。太平洋戦争の時、日本軍はこんなところまで来て戦争をしていたんだなと思いました。沢山の兵士が行き先も、目的も告げられず、こんな遠くまで輸送されて死んでいったんだなと思うと、本当に申し訳なく、思わず手を合わせました。
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