平成20年6月14日
【復元した小諸城大手門】
 
復元した小諸城大手門/国の重要文化財/「平成の大修理」が実現/国が事業費の半額を補助/漆原氏が文科相を動かす/長野・小諸市

 
 国の重要文化財である長野県小諸市の小諸城大手門(正門)が「平成の大修理」により江戸時代の姿に復元され、5月25日、大勢の来賓や市民らが参加して竣工式が行われた。これには地元の要望を受け復元に向けすぐに動いた漆原良夫党国会対策委員長(衆院議員)も出席し、来賓を代表して祝辞を述べた。観光客が伸び悩む同市にあって大手門が新たなシンボルとして活性化につながることが期待されている。
 小諸城大手門は約400年前の慶長年間に初代藩主の仙石秀久が築いた。本瓦葺き2階建てで東日本の代表的な大手門。城門発展の過程を知る重要な建物とされる。今回の工事では建物全体を解体。補修して組み直し、1720(享保5)年改造時の豪壮な構えに復元した。2階には資料展示スペースを設けた。
 復元が決まったきっかけは漆原氏が2003年7月、公明党の赤尾忠男市議(当時)の依頼で同市を訪れ、前市長や大手門周辺地域の区長らと懇談した時だった。この席で、老朽化著しい同門の修復を求める声が上がった。漆原氏は直ちに現地を視察し、約3週間後には地元の代表や党小諸市議団とともに遠山敦子文科相(当時)を訪ね、経費助成を要望した。
 これに対し文科相は「必要ならば国が責任を持ち改修していく」と回答。その結果、翌04年、国が事業費の半額を補助し、修理が始まった。芹澤勤市長は「(文部科学省からの予算獲得に)大変尽力いただいた」と漆原氏の活躍を竣工式で紹介した。
 同市の一番の名所は小諸城址懐古園で、しなの鉄道小諸駅の西側に位置する。大手門は駅・線路を挟んで東側に位置するため訪れる人は少なく、同じく東側に広がる商店街などの市街地活性化が課題になっている。同市長は「駅で分断されていた懐古園と市街地の回遊性ができ、お客を呼び込めるのでは。大変大きな成果だ」と語った。
 現在、地元の大手区長を務める塩川明人氏は文科相への要望に参加した一人。「まさか、こんなにすぐに大臣に会えるとは思わなかった。公明党に大変感謝している」と話した。

(平成20年6月11日付け公明新聞より転載)