平成19年12月21日
【政策合意 公明がリード】
 
政策合意 公明がリード/改正中国残留邦人支援法/満額年金や生活給付金を支給

 
 中国残留邦人(孤児)の「日本人としての尊厳」と「老後の安定」を図るため、新たな支援策を盛り込んだ改正残留邦人支援法が、与野党合意を経て成立、12月5日に一部施行された。
 今回の改正は、基礎年金の満額支給と生活保護に代わる生活支援給付金(最大月8万円)の創設を柱とし、単身世帯で総額は最大月14万6000円の支給となる。
 基礎年金の満額支給には本来、孤児らが年金保険料を追納する必要があるが、国がすべて肩代わりする。これにより基礎年金の支給額は、これまでの月2万2000円から満額支給となる月6万6000円に引き上げられた。
 また、早期帰国の実現や自立支援の義務を怠ったとして、国に損害賠償を求め各地で提訴している中国残留孤児訴訟の原告のほとんどが猶予されている訴訟費用(総額約2億5000万円)の支払いも免除した。
 公明党は、帰国事業が本格化した1980年代から中国残留邦人への支援策の充実を一貫して推進。特に、今回、新支援策を作成した与党プロジェクトチーム(PT)では、議論をリードし、残留邦人らが訴えていた人間としての「尊厳」の確保や基礎年金の収入認定撤廃など、生活保護とはまったく違う給付金制度を実現させた。
 『帰国者を支え、救ってくれた公明に感謝』
 『中国帰国者東京連絡会/池田澄江会長』
 支援策が決まり、私たちは祖国に帰ってきて、初めて日本人と認めてくれたと感じています。支援策をリードしてくれた安倍首相(当時)や与党プロジェクトチーム、そして公明党のおかげです。
 特に、公明党の議員には感謝しています。公明党の議員は正義を持っているから、私たちのみじめな気持ち、残酷な生活から解放してくれました。
 また、人間の苦労を分かってくれているから、私たちを救ってくれました。本当に人権の政治家です。これは、私だけでなく、残留邦人のみんなの声です。
 私たちがうれしかったのは、漆原さんをはじめ、公明党の議員は、いつもみんなの心を支えてくれたことです。署名運動をやったときも、浜四津さんや松さんが駅前で署名運動をしてくれました。本当に感激しました。「あなたたちは私が守る」という気持ちが伝わってきました。
 これからも残留邦人が困ったことがあったときは、是非、公明党の皆さんに協力をお願いします。
 『人間の尊厳を守るため野党に協力を求め解決』
 『与党中国残留邦人支援PT座長代理/漆原良夫氏』
 今回、中国残留孤児の皆さんへの新たな支援策が成立し、法律が公布された日の孤児の皆さんと福田首相との面会では、「きょう、晴れて日本人になれた」「祖国に捨てられた気がしていたが、本当に日本に帰ってこられた気がした」などの喜びの声が数多く聞かれました。
 公明党は、孤児の皆さんの人間としての尊厳を守ることを重視し、与党PTで議論をリードしてきました。しかし、与党でまとめたものの、与野党で意見が分かれていたため、新支援策の実現は困難な状況でした。
 そこで、私は民主党の山岡国会対策委員長に「これは対決する問題ではない。政党の枠を超えて解決すべき問題だ」と協力を要請しました。山岡氏も了解し、党内調整をしてくれたので、円滑な与野党合意ができました。
 公明党は、中国残留孤児の帰国事業が本格化したころから一貫して支援策の充実に取り組んできました。だからこそ、孤児の皆さんの気持ちが分かり、新支援策の実現への原動力になったと思います。

(平成19年12月19日付け公明新聞より転載)