平成19年7月30日
【新潟、長野で震度6強】
 
新潟、長野で震度6強/太田代表、被災者を激励/M6・8 家屋倒壊 600人超す死傷者/首相と万全の支援を確認

 
 16日午前10時13分ごろ、新潟県上中越沖を震源とする地震があり、新潟県柏崎、長岡両市と刈羽村、長野県飯綱町で震度6強、新潟県上越、小千谷両市などで震度6弱の揺れを観測した。気象庁によると、震源の深さは約17キロ、地震の規模(マグニチュード=M)は6・8と推定される。柏崎市を中心に被害が出ており、新潟県内では家屋など323棟が全壊し、7人が死亡。両県内で600人を超える負傷者が出ている。同庁は「新潟県中越沖地震」と命名した。公明党の太田昭宏代表、漆原良夫国会対策委員長、加藤しゅういち参院議員(参院選候補=比例区)は現地に急行し、被災状況を調査するとともに、被災者を激励した。=関連記事2面
 太田代表は16日夕、大きな被害を受けた柏崎市に入り、倒壊した家屋などを調査した後、同市役所に設置された災害対策本部で被災状況などを確認、会田洋市長から要望を受けた。また、避難所となっていた市立第一中学校を訪れ、不安な夜を過ごす住民らを見舞った。市役所で加藤参院議員、志田邦男・新潟県議らと、避難所で漆原国対委員長と合流した。
 太田代表は、倒壊した建物を調査、近隣住民らから被害の状況を聞くとともに、「大変でしたね」「大丈夫でしたか」などと声を掛けて励ました。
 市役所では、安倍晋三首相と会い、被災地の復旧支援などに万全の態勢で取り組むことを確認。太田代表は「高速道路で来たが、かなり波打っているところがあった」と報告し、早期復旧を要請した。会田市長からは、「これだけの大きな被害なので、大変、時間もかかるし、お金も必要になる。国からも絶大なご支援を賜りたい」と要望。太田代表は「激甚災害の指定を早く決めて対応したい」と応じた。
 避難所では、住民らから「余震が怖い」「おにぎりが欲しい」などといった声が寄せられ、太田代表らは「頑張ってください」「しっかり対策を取ります」などと激励した。一連の調査後、太田代表は「困っている人に一刻も早く救援の手を差し伸べることが大事だ。(避難所の様子を見て)いろんなことで態勢を取らなければならない。すぐ(市の)対策本部と連携を取って対応したい」と述べた。
 地震発生を受け公明党の太田代表は16日午後、参院選応援のため訪れた北海道での遊説を急きょ中止、旭川空港発の飛行機で帰京し、被災者の激励、現地調査のため新潟県に急行した。
 また、参院選応援で福井県を訪れていた漆原国対委員長、加藤氏も同日午後、陸路、新潟県に入った。
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 余震も断続的に発生し、午後3時37分ごろには、柏崎市などで震度6弱を観測した。本震はプレートの境界ではなく、浅い場所で発生した逆断層型で、気象庁は今後1週間程度は震度6弱、5強の余震に注意する必要があるとしている。
 東京電力柏崎刈羽原発2、3、4、7号機は地震発生で自動停止。3号機の変圧器の一部から出火したが、正午すぎに鎮火が確認された。放射能漏れなどはないという。
 新潟県内では倒壊家屋の下敷きになり、柏崎市西本町、下條克一さん(76)、保子さん(72)夫婦、同市新花町、中村エツ子さん(81)、刈羽村井岡、五十嵐キヨさん(79)ら70―80代の7人が死亡した。
 柏崎市災害対策本部によると、市内では502人が負傷した。このほか12市町村で170人のけが人が出ている。
 午後5時半現在、7市町村の計2216人の住民が64施設に避難した。
 長野県内では23人が重軽傷。中野市の女性会社員(52)と飯山市の女性(89)ら3人が足を骨折し重傷のほか、同市内の吹奏楽県大会に出場していた中学生2人が転倒してけがをした。
 この地震で、新潟県の日本海沿岸と佐渡に津波注意報が出され、佐渡・鷲崎地区で微弱な津波を観測したが、約1時間後に解除された。新潟県内では2004年10月の中越地震(M6・8)で震度7を観測している。
 長野県内で震度6以上を観測したのは、1941年7月の県北部地震(M6・1)以来66年ぶり。
 本震の主な各地の震度は次の通り。
 震度6強=長岡市、柏崎市、刈羽村、飯綱町
 震度6弱=新潟県上越市、小千谷市、出雲崎町
 震度5強=新潟県三条市、十日町市、燕市、南魚沼市、長野県飯山市、中野市、信濃町
 震度5弱=新潟市、長野市、石川県輪島市

(平成19年7月17日付け公明新聞より転載)