平成19年6月20日
【じん肺の根絶へ前進】
 
じん肺の根絶へ前進/首相が弔意、防止策も強化 訴訟原告団と国が和解/公明も尽力

 
 自民、公明の与党両党は18日午前、全国トンネルじん肺根絶訴訟の原告団や家族会、弁護団とともに首相官邸を訪れ、安倍晋三首相らと会談した。公明党から漆原良夫国会対策委員長(党じん肺問題対策PT座長)、渡辺たかお参院議員(同事務局長、参院選予定候補=比例区)が出席した。
 じん肺とは、トンネル工事などで粉じんを吸い込み、肺機能が著しく低下する病気。
 席上、安倍首相は「患者と家族に心からのお見舞いを、亡くなられた方とご遺族には哀悼の誠をささげたい」とした上で、国がじん肺防止対策を強化することで原告と和解したことに触れ、「(患者や家族の)心境を考えたとき、早期に解決策を示していかなければならない」と述べた。
 原告団代表の船山友衛さんは「和解は感無量」と述べるとともに、「今後、トンネル建設工事で、じん肺で苦しむ患者を出してほしくない」と訴えた。漆原国対委員長は、関係者の努力に謝意を表明。「今後も日本からじん肺患者がなくなるように努力していきたい」と述べた。
 その後、原告団と国は同日午後、衆院第1議員会館で、漆原国対委員長らを立会人に、じん肺防止に関する和解文書に調印、正式に和解した。
 公明党はじん肺問題対策PTを中心に対応に当たり、昨年7月14日には患者と家族会の代表とともに杉浦正健法相(当時)に対し、トンネル工事現場での定期的な粉じん測定の義務化など、じん肺の根絶への対策を要請した。

(平成19年6月19日付け公明新聞より転載)