平成19年5月21日
【深刻な医師不足に本腰】
 
深刻な医師不足に本腰/小児、産科医確保など全力/6月上旬にとりまとめ/対策を骨太方針へ反映/公明提唱で政府・与党が初会合

 
 政府と自民、公明の与党両党は18日朝、首相官邸で「医師確保対策に関する政府・与党協議会」の初会合を開き、取り組むべき諸課題について協議した。
 公明党から、太田昭宏代表、坂口力副代表、北側一雄幹事長、漆原良夫国会対策委員長、斉藤鉄夫政務調査会長、山口なつお参院公明党政審会長(参院選予定候補=東京選挙区)、福島豊社会保障制度調査会長が出席した。
 この日の会議では、医師不足対策が早急に取り組むべき重要な課題であり、政府・与党が一丸となって、さらに充実した医師確保対策を打ち出せるよう、必要な検討を行っていくという共通認識を確認。今後、政府の「骨太の方針」に反映させるよう、6月上旬には政府・与党として新たな重点対策について一定の結論、方向性を出すことを決めた。
 会議の冒頭、塩崎恭久官房長官は、「医師確保の問題は、国民生活に直結する喫緊の課題と認識しており、スピード感を持って検討を進めていく」と強調。
 安倍晋三首相は、依然として根強くある医師不足や医師の偏在を訴える声に対して、「医師確保対策には、すぐに効果が表れてくるものと、効果が出るまでに時間を要するものがある」と述べた上で、「どこに住んでいても安心して生活ができる基盤をつくっていくことが、政府・与党の重大な使命だ」とあいさつした。
 太田代表は「医師確保とともに、それを取り巻く助産師の活用や看護師の配置も併せて取り組む必要がある」と主張。
 北側幹事長は「小児科医、産科医などの命にかかわるリスクの大きな診療科を医師が選ばない状況がある。医師の負担を軽減する取り組みが大事だ」と力説した。
 深刻な医師不足の課題に対する主な論点としては、(1)大学医学部の医師派遣機能の低下(2)病院勤務医の過重労働(3)小児科医、産科医の厳しい勤務環境(4)女性医師の出産・育児による離職(5)医療にかかわる紛争の増加――などの意見が出された。
 終了後、太田代表は記者団に対して、公明党の提案で実現した政府・与党の協議会について「与党間で合意を得て、政府・与党協議会という形できょうスタートを切ったことは極めて大きな意義がある」と強調。
 医師不足対策については「構造的な問題があるが、早急にできるものは早急に対応し、骨太の方針の中にも盛り込み、予算面でやらなくてはいけない」と述べ、党においても鋭意、その具体策をまとめ、反映させていく考えを示した。

(平成19年5月19日付け公明新聞より転載)