平成17年10月20日
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委員会にて質問する漆原良夫 |
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若者が希望を持てる農業に!
19日、衆議院農林水産委員会で、若者の就農促進や原油価格高騰に対する農業への支援策などについて質問しました。
現在、農業の担い手が高齢化していることに対して、若者が意欲と希望を持って農業経営に励むことができる環境を整備するべきであると、政府による積極的な対策を求めました。
これに対して岩永峯一農水相は、「若者が農業に参加しないのは、農業で生活していけないからではないか」と述べ、農業に希望が持てるように就農援助などを行いたいと答えました。
また私は、原油価格の高騰が、漁業や施設園芸に大きな影響を与えている現状に対して、早急な対応策を訴えました。
岩永農水相は、関係省庁と連携を取りながら、石油以外へのエネルギー転換などを進める考えを示しました。
農水委員会質問
<食料・農業・農村基本計画>
1.「農は国の基なり」とは、古くから言われてきた言葉で あります。しかし現実は、大臣が所信でも指摘されているように「従事者の減少や高齢化の進展、耕作放棄地の増大など」将来に明るい展望をもてないのが実情であります。所信の 中にも「意欲と能力のある担い手」と言った言葉が何回も出て参ります。
日本農業の担い手の平均年齢が60歳を超えているという現状では、「農は国の基なり」と言う言葉が空しくさえ聞こえてきます。若者が、それこそ「意欲と希望」を持って農業経営にあたることのできる環境を整備することが急務であり、私達の責務であると考えますが、大臣の御所見をお伺い致します。
2.政府はH17.3.25「新たな食糧・農業・農村基本計画」について閣議決定をされております。
この「新たな食糧・農業・農村基本計画」が、意欲と能力のある担い手の創出にどのように資することになるのか、説明を求めます。
3.大臣は所信の中で「経営安定対策については、これまでの全農家を対象にした品目毎の対策から転換し、やる気と能力のある担い手に絞った経営安定対策を、19年産から導入することとしております」と述べておられます。
全農家を対象とした品目毎の価格政策を見直し、担い手を対象に経営全体に着目した品目横断的経営安定対策に転換した理由について、説明を求めます。
4.WTO農業交渉は、日本にとって大変に厳しい状況にあると聞いています。
諸外国からの高まる市場開放圧力に対抗するためには、先ず何よりも日本農業の国際競争力を高めるしかない。そして、そのためには、農業の担い手の経営が安定し、日本農業の足腰が強くなくてはならないと思います。
担い手を対象とした品目横断的な経営安定対策は、望ましい農業構造の確立と、国際競争力の強化に資することになると考えますが、大臣の御所見をお伺い致します。
5.基本計画では、支援の対象となる担い手は「認定農業者及び一定の要件を満たした集落営農」とされています。
私は、この対象となる「担い手」の経営規模要件の設定は、地域の実態に即して行われるべきであると考えます。
現行の米の「担い手経営安定対策」の面積要件(個別4ha、北海道10ha、集落型経営体20ha)では、地域の実態に即さないため、全国一律の設定ではなく、地域の「担い手」の実態や作目毎の営農組織化の状況に即して設定すること、また、中山間地域や集落・地域の農地規模が元来狭隘な地域など、物理的な条件格差が存在する地域においては、規模要件を弾力的に設定できる仕組みとすることも必要ではないかと考えますが、大臣の御所見を伺います。
6.基本計画は、米の需給調整について「米の需給調整のあり方については、需給・価格情報等を踏まえ、農業者や産地が需要に即応し、主体的な判断により、売れる米を適量生産する姿の実現に向けて米政策改革を推進する中で、あるべき姿を構築する」としています。
これは、生産調整の主体が国から生産者に移るということであり、大きな転換であります。
その趣旨及び理由について説明を求めます。
<WTO農業交渉について>
1.大臣は所信の中で「本年12月の香港閣僚会議に向け、交渉が加速化しつつある中、我が国の主張をできる限り反映させるべく、全力で交渉に臨みます」と述べておられますが、その表現が、一般的・抽象的な表現にとどまっているためか、いささか頼りなく聞こえました。
高関税で国内農業を保護している我が国にとって、上限関税の設定と上限関税の適用を除外する重要品目の決め方が交渉の眼目となります。
しかし、ブラジルやインド、中国などの有力途上国は先進国の上限完成を100%とするように主張しており、日本と同じく農業保護の水準も高いEUも、上限関税を100%とする新提案を行ったと聞いています。
又、重要品目についても、日本は品目の拡大を求めているが、米国などは品目数を少数に限定するよう求めており、厳しい状況が予想されています。
大臣は、農林水産大臣の御就任直後、最も厳しい交渉に臨まれることになりますが、日本農業を護るため、なんとしてもこの交渉は勝ち抜いてもらわなければなりません。
WTO農業交渉に臨むにあたっての大臣の現状認識と御決意について、改めてお伺い致します。
2.交渉は、相手のあることですから、押すこともあれば引くことも必要です。相手の弱点を改めて譲歩や妥協点を探ってゆくことになります。しかし日本の場合は、行政が縦割りで担当省庁が相互にけん制し合う結果、たとえば工業分野で譲歩する代わりに農業分野で相手側の譲歩を引き出すといった他分野と絡めた駆け引きができないため、厚みのある交渉ができないといった指摘がなされているが、十分な連携に基づいた交渉がなされているのでしょうか。
<原油価格の高騰の影響と対策>
1.大臣は所信で「燃油高騰」問題について触れられております。
この原油高騰問題は、日本経済に深刻な影響を及ぼしています。この問題は、一人農林水産行政の問題だけではなく、政府が全体として取り組まなければならないと思います。
そこで大臣に、原油高騰問題に対する政府の取り組みについてお伺い致します。
2.農林水産行政においては、特に漁業と施設園芸に大きな影響を及ぼしています。
漁業においては、燃料費として、施設園芸においては光熱 動力費として、その費用増が大きく経営を圧迫しております。加えてこの二つの業種は、他の多くの業種とは異なり、市場での「セリ」で価格が決定することから、売価格への価格転嫁は困難なため、その原油価格の高騰がそのまま経営者の利益分を直撃するという結果になっております。
農水省はこの二つの業種における現状をどのように把握しておられるか、説明を求めます。
3.農水省の対応について、説明を求めます。
<大型クラゲの来遊と漁業被害>
1.エチゼンクラゲを始めとする大型クラゲの来遊による漁業被害が深刻になっています。
エチゼンクラゲは大きさ1m、重量150kg以上になると聞いています。これらの大型クラゲが一回の網起こしで最多の事例で5000〜7000個も網の中に入っていたという報告もあります。これらの大型クラゲの出現は、去年までは日本海側が中心だったのでありますが、本年に入って太平洋側でも確認され、来遊が確認された都道府県の数は32都道府県に及んでおります。
農水省は、この大型クラゲによる漁業被害について、どのように把握されているのか、説明を求めます。
2.漁業被害に対する対策について説明を求めます(金融措置、混獲回避・軽減、駆除・処置)
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