(vol.31)平成28年11月3日


憲法公布70年〜肩の力を抜いて憲法を考えてみよう〜
   
 こんにちは、公明党の漆原です。

 憲法は、今日(11月3日)で公布から70年目になります。日本の憲法
も「古希」を迎えたのです。
この時期になりますと決まって、押しつけ憲法論に基づく「改憲論」や硬
直的な「護憲論」が盛んに議論されます。

 しかし私は、ここで肩の力を抜いて憲法を考えてみてはどうかと提案したいのです。少し、視点を変えて考えてみたいのです。それは、「憲法が70年間一度も改正されず今日まで日本の平和と繁栄を支えてきた」という事実をどう見るかという事です。  
                                 
 私はこう思います。           
@ 「国民主権」、「永久平和」、「基本的人権尊重」という3原則に基づく新しい憲法が日本国民に受け入れられた。国民の意に反して押し付けられたものであれば、70年間も続くわけがありません。            
A  その憲法に基づいて、70年間も国家が運営され、国民に平和と繁栄をもたらしました。 
B  その結果70年の時を経た今日、新しい憲法の理念や精神が今や国民の誰もが疑わないほどに国民の血肉となって定着したのです。

 結論として、新しい憲法は、日本国民の主体的判断によって受け入れられ、
今日まで継承され支えられ、国民の中に定着したと言えるのではないでしょうか。
 このように考えてくると、押しつけ憲法論や硬直的護憲論は、あまりにも観念的、イデオロギー的であって現実的な議論ではないと思われます。

 大事なことは、現行憲法が、これまで果たしてきた役割を正当に評価したうえで、公布後70年を経た憲法が、制度疲労を起こしていないかどうかをしっかり検証することだと思います。70年前の日本の社会状況や、日本を取り巻く世界の状況は大きく変化しています。時代の変化に対応するために憲法の何処をどう修正すればよいか、十分に検討し議論することが最も大切だと思います。この考え方が、公明党の「加憲」方式です。

 国会の憲法審査会で今月から議論が再開されます。衆院では、11月10日に憲法制定の経過や立憲主義について議論されることになっています。また環境権、地方自治、参院選挙制度の合区制、違憲立法審査の在り方、などの各論も順次議論されることになると思います。
 憲法改正の作業は、改正に向けた世論の澎湃とした高まりとともに、国会における幅広い合意形成を経てなされるべきものであると思います。


平成28年11月3日

                       公明党中央幹事会会長 
                     衆議院議員 漆原 良夫