平成14年8月5日 (No.37)


公明党の「選択的夫婦別氏制度」について
         〜〜〜 自民党案との相違 〜〜〜
 
この度、自民党の有志議員による「例外的夫婦別氏制度を実現する会」が開催されました。この内容は次の通りです。

(自民党の案) 「例外的夫婦別氏制度」
@夫婦は原則として同一の氏を称する。
A夫婦は、次の場合には、例外的に別々の氏を称することができる。
  イ、仕事上の必要性がある場合。
  ロ、家名を継ぐ必要性がある場合。
  ハ、その他の必要性がある場合。
B夫婦が例外的に別々の氏を称する場合には、家庭裁判所の許可を受けなければならない。

公明党が既に法案を提出している「選択的夫婦別氏制度」の自民党案との違いは次の通りです。

(自民党案との違い)
@同氏夫婦と別氏夫婦は、法律的に平等であって、原則とか例外とかの関係はありません。
A夫婦が別氏を選択する場合には、夫婦の自由な意志のみによるものであって、家庭裁判所の許可を受ける必要はありません。

 従って、自民党の案(「例外的〜」)と公明党の案(「選択的〜」)は、その思想において大きな隔たりがあります。

この自民党の「例外的〜」をどのように評価すべきか、我が党内でも論議の分かれるところです。
 積極的に評価する人は、あれほど夫婦別氏制度に頑固に反対してきた自民党の中から、例外的にではあったとしても夫婦別氏を認める考え方が出てきたのであるから一歩前進と評価すべきであり、今の機会を逃したら永遠に夫婦別氏制度の実現は不可能になってしまう、という考え方です。
 消極的に評価する人は、自民党案と公明党案とでは、その思想が全く異なっているため、今安易な妥協をしたのでは変則的な夫婦別氏制度を固定化するだけで、永遠に理想実現の機会を逃してしまうことになる、という考え方です。

どちらの論議にも十分なる根拠があり、一概には決定し難いのですが、私の現在の考え方は、現実的な選択という観点から、6対4で前者の考え方に傾いています。「理想」か「現実」か、大変に難しい判断を迫られています。

皆様のご意見を是非ともお聞かせ頂きたいと思っております。