令和4年2月28日
【第4弾
 
クイズ・知っていますか?「死刑」。―国際編―

 

 今日は! お元気ですか? 今回は、皆さんとクイズを解きながら死刑問題(国際編)を考えてみたいと思います。
 では、問題に移ります。


【第1問】
 2019年(令和元年)の1年間に、我が国から国外に逃亡した犯罪者の数は、およそ何人でしょうか?
 次の3つの中から選んでください。
A・・・約50人
B・・・約350人
C・・・約650人

【第2問】
 国外に逃亡した容疑者等の引き渡し義務を、国家間で相互に約束する条約を「犯罪人引渡条約」と言います。
 国連加盟国は、全部で約200か国ありますが、現在、我が国は、何か国との間で「犯罪人引渡条約」を締結しているでしょうか?
 次の3つの中から選んでください。
  A・・・約150か国
  B・・・約50か国
  C・・・約5か国未満

【第3問】
 2019年我が国から国外に逃亡した犯罪者のうち、日本が引き渡しを受けたのは、何人でしょうか。
 次の3つの中から選んでください。
  A・・・456人
  B・・・73人
  C・・・0人

【第4問】
 菅前総理が、4か国首脳会談に併せて昨年9月下旬に訪米しました。この「4か国首脳会議」の略称は、アルファベットの4文字で何と言われているでしょうか。
 また、この4か国は、日本、アメリカ、インドと、何処の国でしょうか。次の3つの中から選んでください。
 A・・・韓国
 B・・・オーストラリア
 C・・・インドネシア

【第5問】
 日豪円滑化協定の協議につき、死刑問題がネックになって協議が停滞していると聞いていますが、死刑の何が問題となっているのでしょうか。

【第6問】
 世界各国で、死刑を「廃止している国」と「存置している国」の数は、どのようになっているでしょうか。次の2つの中から選んでください。
 A・・・廃止国144か国  存置国55か国
 B・・・廃止国55か国  存置国144か国

【第7問】
 弁護士事務所に行くと、「37分の3 ‐ 37分の2 =日本」、と書かれた広告を目にしますが、この数式の意味は何でしょうか。





《 解答と解説 》
 お疲れさまでした。問題は、以上で終了です。ここからは、解答と解説に移ります。

【第1問】 正解はCです。
★犯罪白書によると、令和元年における犯罪者の国外逃亡は、外国人が538人、日本人が128人、合計666人です。
★刑事ドラマでは、よく聞きますがこんなに多いとは、驚きですね。

【第2問】 正解はCです。
★日本が犯罪人引渡条約を締結している国は、米国と韓国の2か国だけ。
★その理由は、自国民が日本で死刑に処される恐れから締結に至らないのです。
 少し詳しく説明します。死刑制度の存在しないA国から日本に来た甲さんが、日本滞在中に死刑に当たる罪を犯した上、A国に逃亡してしまった。日本政府としては、A国に甲容疑者の引き渡しを求めることに成ります。
 このようなケースが想定される場合、A国は日本との「犯罪人引渡条約」の締結に、非常に慎重になります。
何故ならば、甲容疑者がA国の裁判所で処罰される場合には、死刑には成りません(死刑制度が無いのですから)が、日本に引き渡され、日本の法律で処罰される場合には、死刑に処せられる可能性があるからです。
A国が、日本と「犯罪人引渡条約」を締結した場合には、甲容疑者を日本に引き渡す義務が発生します。しかし、A国としては、自国民が、みすみす「死刑に処せられる可能性のある」不利な条約を結ぶわけがありませんよね。

【第3問】 正解はCです。
★Cが3つ続いてすみません。
★平成26年→2名  平成27年→0 平成28年→0     平成29年→2名  平成30年→0   令和元年→0
★令和元年の国外逃亡者は、666人でしたよね。1人も 連れ戻せない! いや~本当に驚きました。
★2020,9,5読売新聞の記事を引用します。
 捜査員が現地に赴き、2人の捜査や身柄の引き渡しを要請。だが、南ア側は「死刑にしない」という誓約書がない限り、引き渡しは難しいとの見解を示した。・・非締結国には外交ルートを通じて容疑者の引き渡しを求めるが、拒否されるケースもある。1994年には、渋谷区で女性を殺害したとして国際手配されたイラン人について、逃亡先のスエ―デンが「死刑に処せられる可能性がある」として引き渡しを拒んだ。

【第4問】 正解は、QUAÐ。「クアッド」と発音します。B
★日本、米国、オーストラリア、インドの首脳や外相による安全保障や経済を協議する枠組み。英語で「4つの」を意味する「QUAD(クアッド)」という通称が定着する。自由や民主主義、法の支配といった共通の価値観を持つ(日本経済新聞)。

【第5問】
★解答・・クアッドの一環として、日豪両政府は、自衛隊とオーストラリア軍の共同訓練などに関する「円滑化協定」の締結が課題となりました。しかし、「死刑制度を持たない豪州側が、自国軍の兵士が日本滞在中に殺人などの罪を犯した場合に死刑になる可能性を懸念したため、協議は停滞した」(時事通信 2020,6,9)というものです。
  オーストラリア軍の兵士が、日本の法律で裁判され死刑になることを恐れたのですね。
★その後、日豪の協議が進み、死刑を廃止したオーストラリアの軍人が訓練などの公務中に日本で重罪を犯しても死刑にならないという方向で調整に入った模様です。
  色々問題点も多いと思われますが、近く、国会に法律案が提出され、審議されることに成ります。
★死刑制度が、防衛門題にも関係してくるんですね

【第6問】 正解はA
★念のため、主な存置国は、次の通りで
「アフガニスタン、ベラルーシ、ボツワナ、中国、キューバ、ドミニカ、エジプト、エチオピア、インド、イラク、イラン、日本、ヨルダン、ナイジェリア、北朝鮮、パキスタン、パレスチナ、カタール、サウジアラビア、ソマリア、南スーダン、シリア、ウガンダ、アラブ首長国連邦、米国、べトナム、イエメン、ジンバブエ」など

【第7問】
★これは、日弁連が、死刑廃止運動のために作った広告です。知らない人の方が多いと思います。
★数式の37は、OECD加盟国の数を表します。
 ・経済協力開発機構(OECD)加盟国37か国のうち、死刑制度を存置しているのは、3か国のみです。
 ・3か国のうち、韓国では、1997年以降、死刑が執行されていません。
 ・3か国のうち、米国では、22州で死刑が廃止され、4周で死刑が停止されています。
 ・その結果、今なお死刑を執行しているOECD加盟国は、日本だけです。
★以上は、2020,11,1現在のデーターによるものです。
  なお、2021年7月1日、米国のガーランド司法長官は、連邦レベルでの死刑の執行を停止するとの宣言をしました。本当に日本だけになってしまいました。
  世界は、着実に動いていますね。


 長い時間を頂戴して、大変有難うございました。皆様の益々のご活躍とご健勝を心よりお祈り申し上げます。
                      以上

2022,2,28
     弁護士 漆原 良夫